海から届いた香りは、人の感覚にふれ、まだ言葉にならない何かをひらいていきます。
その気配に導かれるように、さまざまな人、かたち、そして時間がこの香りのまわりに集まってきました。
ENCOUNTERS Ⅰ
香りがひらくとき
香りは、ときに、まだ触れられていなかった感覚に静かに光をあてます。
言葉になる前の違和感、説明のつかない心地よさ。
龍涎香という存在は、そうしてこれまで、それぞれの分野を探究してきた人たちを、それぞれの入り口から惹きつけてきました。
薬草研究家
山下智道
幼い頃から野山に親しみ、「ハーブ王子」と呼ばれ、日本各地はもちろん、世界を旅しながら草木と対話を重ねてきた野草研究家。龍涎香アンバサダーとして、アンバーグリスジャパンの活動にも関わっています。
植物と樹脂を読み解くまなざしを持つ山下さんは、著書『天然樹脂ハンドブック』の制作過程で、龍涎香の成分や成り立ちについて幾度も言葉を交わしました。その対話を重ねる中で生まれたのが、「海が育てた、もうひとつの樹脂」という見方です。
陸の智恵と、海の神秘が交わる場所に、新しい呼応が生まれています。
ホメオパシー研究家
片桐航
自身も長く不調と向き合った時期を経て、ホメオパシーという道にたどり着いた片桐航さん。現在はホメオパシーセンターの所長として、そして講師として、目に見えないものと身体・心の関係を伝え続けています。
片桐さんは、龍涎香を、香りとしてだけでなく、身体・心・見えない感覚に働きかける一つの「素材」として見つめています。
ホメオパシー、波動医学、自然療法——目に見えないものを扱ってきたその視点は、龍涎香がただの香料ではないことを、あらためて教えてくれました。
2024年、片桐さんは龍涎香アンバサダーに就任。以来、香りを通して「目に見えないものが人にもたらす働き」について、吉田との対話を重ねています。
ENCOUNTERS Ⅱ
香りがかたちになるとき
目に見えない感覚が、ひとつの「かたち」として立ち上がることがあります。それは、香りというかたち。人との出会いは、やがて香りという「かたち」へと育っていきました。
誰かの内側にあるテーマや願い、まだ気づいていない感覚に触れながら、ひとつひとつの香りが生まれてきました。
龍涎香官能フレグランス
生命エネルギー、身体性、性を神聖なものとして扱う感覚——タントラという文脈を探究してきたタントラライフジャパンとの出会いから、このシリーズは生まれました。
ここでいう「官能」とは、単に感覚的な意味にとどまりません。身体の感覚がひらくこと。自分の内側に眠る生命力に、もう一度気づくこと。龍涎香・非加熱フレグランスの世界観と重なり合い、ひとつの香りへと結晶しました。
金運の香り
不動産コンサルタントとして、日々「価値」と向き合ってきた長嶋修さんとのご縁、そして金運神社への参拝体験から生まれた香りです。
テーマにしたのは、「ため込む豊かさ」ではなく、「巡る豊かさ」。ご縁が形になり、循環していく金運のありようです。
2026年6月、1周年を迎えたこの香りは、洲崎神社・安房神社へのお礼参りという形で、その巡りを静かに祝いました。
生命の力にふれる香り。
巡る豊かさに導かれた香り。
生まれた背景は違っても、行き着いた先は、海から届いたひとつの香りでした。
龍涎香は、かたちを得て、次は人と場所へとひろがっていきます。
ENCOUNTERS Ⅲ
香りがつなぐとき
香りは、境界をこえていきます。
人と人、人と自然、そして内なる世界と外の世界。
奄美大島での時間や祈りの場、海と向き合うひとときの中で、香りは、分かれていたものをそっと結びなおしてきました。
奄美大島
龍涎香を「海からの贈り物」として受け取ってきた土地――奄美大島は、アンバーグリスジャパンにとって大切な拠点です。
龍涎香の寄贈、海洋展示館での常設展示、地域の人たちと共に行う龍涎香探し。目に見えない世界から届くものを、贈り物として受け取る文化的な土壌が、ここにはあります。
ビーチクリーン
龍涎香は、海岸に流れ着くもの。その存在を探すことは、いつしか、海をきれいにすることへと重なっていきます。
奄美での活動では、「ビーチクリーンに新しい楽しみ方が加わった」「くじらとの距離が近くなった」という声も生まれました。海岸を歩く人が増えるほど、海への関心も静かに深まっていきます。
祈りの場
香りを介した祈りの場も、静かに続いています。
同じ香りに包まれることで、その場にいる人たちの意識が、ひとつに調っていく——そんな時間です。
海と地域をつなぐ場所。
海と人をつなぐ習慣。
祈りと感覚をつなぐ時間。
たどりついた先は違っても、そこに立ち会っていたのは、いつも海から届いたひとつの香りでした。
そして今、物語は還っていきます――その香りが生まれた、源へ。